2011年4月5日火曜日

おがくず

福島の原発では本当に命がけで大変な作業が続けられており、従事している人たちには心から経緯を払うところであるので、あまり話題にはしたくないのだけれど、放射性物質汚染水が海中へ流出していることが判明して以来、「おがくず」「トレーサー」「シルトフェンス」といった、やたらとなじみの深い言葉がどんどん出てくるようになったので、不謹慎な言い方ながら身近感というか「それなら俺も知ってる」的な感覚になった。
おがくずはボーリング時の漏水防止によく使ったし、トレーサーは地すべりの地下水追跡調査でよく使った。シルトフェンスは海の工事では当たり前だ。
まあそれはともかく、対応が長引いて、本当に危ない時期を越えたという見方もできる(とにかく今このときに何とかしないと本当にやばいという状況は、今このときはない)ので、なんというか緊急感みたいな感覚が低くなってきたから、今度は初動がどうだったとかいろいろ言われるようになってきているが、とにかく現場で対応している人たちは本当にご苦労様だしがんばってほしいと思う。

同業者も東北対応で動き出した人やとっくに動いている人がたくさんいて、俺はこんなところでこんなことをしていていいのか!みたいな気持ちはあるのだけれど、ニーズのないところにサービス提案などする段階ではまだないので、「技術者としてできること」はせずに一般国民としてできることだけをやっている。歯がゆいけれどね。

6 件のコメント:

  1. 笑級公務印2011年4月7日 0:37

    私も国民として、一個人としてできることを最大限していきたいと思います。私の自治体からも(派遣されるか否かさまざまな制約で不明な様ですが)先発隊等が選抜されました。私自身は、妻等にも派遣候補宣言をしていますが、現時点では選外です。
    個人的には、どの分野でも(特に子作り前の)将来ある若者より脂ギッシュな中年・壮年に活躍を求めます。
    何よりも腹立たしいのは、無知なコメンテーター・後出しの評論家・(将来を考えられない、政策提言能力に欠ける)政治家です。こんなことをばかり考え、睡眠不足な今日この頃です。

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  2. 何かできることをしたい!と思っている技術者は多いでしょうね。だけど受け入れ側も役所機能が喪失してしまった自治体もあるので、押し売りはできませんし、歯がゆいところですね。
    でもいずれ何らかの機会が来るでしょうから、そのときお互いにがんばりましょう。

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  3. 原発というハイテク施設の漏水を防ぐのに、高分子ポリマー(ナイスシールや「とめ吉」)はハイテク?としても、おがくず・新聞紙となるとローテク・・・ボーリング業界と代わらない対応ですね。
    まして、ようやく水ガラスでの対応などは基本中の基本みたいな感じで、とても頭がいい人が知恵を出し合った発想なのか判りません。
    最初のバージョンでは止まらないって言ってたけど、あれでは止まらないでしょう。
    セメントを流し込んでも止まらないって言うのも、水が多ければ無理でしょねぇ

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  4. あのピットに水中コンクリ(不分離性コンクリ)ぶちこめよ!と突っ込んだのは私だけ?

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  5. 私も水中コンクリは念頭にありましたが、大量に移動する水中で分離しないようにするのは難しいでしょう。
    ベントナイトセメントに瞬結剤を混ぜ、塊状にして落とし込みした方が止まると思います。
    深度200mくらいで激しい逸水の時は、それ+かき集めた枯れ葉を混ぜ込んで止めました。もう25年くらい前の話ですが。

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  6. 補足ですが、水中不分離コンクリの水中落下高さは50cm程度、流動距離は5mくらいです。ピット深さから考えると品質が保てない可能性があります。もっとも、一気にドドッ!と流し込めば閉塞するかもしれません。ただ、それだけの量を準備できたかは怪しいです。水ガラスはボーリングマシンでの薬注のようですね。

    おがくず+新聞紙+ポリマー作戦も、蓮根のような水管に投棄した場合、浮力や膨潤時間の違いなどで上手く閉塞するとは思えないですね。結果もそのようになったみたいですが・・・。
    大変な作業環境の中でやっているわけで、作業している方には敬意を表しますが、企画している人は現場のことが判っていないのではないかなぁ?と思ってしまいます。

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