2015年1月16日金曜日

久々の電車

久々に電車に乗った。たぶん最後に乗ったのが12月に東京から帰ってくるときだから19日。4週間ほど電車に乗っていなかったことになる。
でもこれは小浜市民の中では頻度の高いほうだろう。電車通勤している人は、電車2両に楽々乗れるくらいの人数しかおらず、大部分の人は電車にもバスにも無縁の生活を送っている。自家用車のみが我が足、という人のほうがきっと多いだろう。

正午前の電車で小浜を出発。いつものように4人掛けの向かい合わせ席を独占して足を投げ出しパソコンを開く。このとき、私の乗っている2両目には乗客10人。

平日のこの時間帯は学校の生徒もほとんど乗っていないから、隣の席も4人掛け席が空いている。

窓の外には冬の枯れ色の田んぼと枯れススキ。里山の雪はずいぶん消えた。

ところで小浜線はほとんどワンマン列車なので、駅が近づくと
「ご乗車ありがとうございました。まもなく○○、○○です。お忘れ物のないようにご用意ください。」
といったアナウンスが自動で流れる。女性の声である。40台かな。柔らかい落ち着いたいい声だ。
ところで小浜線は無人駅が多いから、1両目の前側、運転手の横のドアしか開かないようになっている。ここで運転手に切符を渡したり運賃を支払ったりするわけだ。
そのため、
「2両で運転中の場合は2両目のドアは開かないので、1両目の前方ドアから降りてください」
みたいなアナウンス案内もある。
さらにドアは自動では開かない。乗客が少ないので誰も降りないこともままあり、降りたとしても数人なので、ドアを自動で開くと冷暖房中は空気が入れ替わってしまって逆に不便になってしまうからだ。
そこで
「ドアは自動では開きません。ドア横の開きボタンを押してお開きください」
というアナウンスが続く。駅の案内、降り口の案内、さらにドア開け方の案内と、彼女は忙しいのである。
駅に到着したあと、彼女はもう一度ドアの開け方をアナウンスする。ところが、この部分は降り口のない2両目には関係ないということなのだろう、2両目だけこの部分のアナウンスは切られる。それはまあいいのだが、「ドアは自動では…」と言いかけたところで、「ド」のところでブツッと切ることがよくある。どうもあれが気になって仕方がない。けなげにあれこれ案内してくれている彼女が、背後から襲われて口をふさがれてしまったようにしか聞こえないのである。

寒い中に日差しがありがたい敦賀駅で30分待ち、北陸本線に乗り換えて福井へ。
今日は警察協助員会の県役員会と意見交換会(つまり新年会)である。冬に北陸方面に行くのはできるだけ避けているから、敦賀から福井方面行きの電車に乗る予定はこの冬今回限りである。
なんだか乗客が多い。よく見ると高校生らしい年頃の子が多い。まだ1時すぎなのに?と思っていたら、会話内容から明日が大学センター試験だとわかった。福井県では福井市と小浜市にしか試験会場がないから、前日から福井に行き宿泊して試験に備えるようだ。
センター試験の前は「共通一次試験」といったが、私はその第1期生である。マークシートなんてものを生まれて初めてやるという同級生は多かったから、学校は「マークシートの練習」なるものをしていた記憶がある。当時は福井市にしか試験会場はなかったから、高校から100人以上が大挙して小浜線の当時はディーゼルカーだった列車で福井まで行った。引率の先生も何人もついていて、初の一次試験ということで大学のあちこちにマスコミはいるは、慣れない福井の土地で道に迷うやつはいるはで、忘れられない一大イベントであった。
終わった後の帰りの列車で、連結器のあたりに集まって大きな声でチューリップの「青春の影」を歌っていたなあ。受験参考書に集中する高校生達を見ていたら、なんだか18歳のころの感覚世界がちょっとだけよみがえったようで嬉しかった。

北陸トンネルを越えると雪国だった。今日は晴れているからいいが、天気が悪かったらここでどーんと気持ちが滅入るのだ。

家々も屋根に重そうに雪を載せている。このあたりの人は一生に何度となく雪下ろしを体験するのだろうな。ちなみに私はこれまで2回(自宅は1回)雪下ろしを体験した。

今庄駅のホームには手押し式の除雪機があった。雪国の必須ツールですな。地区や施設単位で所有しているところも多いし、個人で持っている人もいる。

車窓から山を見上げると、アカマツと思われるものを残してあとは全部落葉した木々の間から雪に覆われた地肌が見える。当たり前じゃないかと思う人もいるかもしれないけど、常緑樹が多い小浜ではなかなか見られない光景だ。

福井駅に到着して、まずは遅い昼食。福井市に来たときの定番食、ソースカツ丼と越前おろしそば。
ソースカツ丼は全国あちこちにあるから特段珍しいものではないけれど、福井のソースカツ丼はソースが甘いのが特徴。なんだか名古屋の味噌カツに似ている。
越前おろしそばは、そばに最初からツユがかかっている。といってかけそばではなく、大根おろしの汁が主体の冷たいツユで、ぶっかけに近いかな。ショーユのツユよりもそばの味がはっきりして美味いと私は思う。

福井市はいい天気で、福井城のお堀ものどかな風景。この城跡には県庁と県警本部がどでーんと建っており、エラソーな所にエラソーなものが建っている、わかりやすい構図である。

1時間半ほどの会議を終えて、新年会会場へ歩いて移動。会議は国際会館の近く、新年会会場は夕闇迫る足羽川を渡った先。福井の人しかわからないだろうけど。

1時間40分ほどで先においとました。そうしないと帰りが遅くなりすぎるからね。鈍行列車を乗り継いで小浜へ。いつもの「無人君」の写真と思うかもしれないが、実は1人だけ写っています。

小浜駅到着は22時過ぎ。駅前は見事なまでの静かな空間でした。

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